第37章

リビングに入ると――。

結城悠馬がソファに腰掛けていた。

たった一日しか経っていないのに、瑚夏はひと目で、結城悠馬の目つきが昨日とは違うとわかった。

昨日はずっと視線を逸らし、誰とも目を合わせようとしなかったのに。

今日は違う。結城悠馬はまっすぐ彼女を見た。

そして、自分から挨拶をする。

「渡辺さん、だよね。昨日は怖い思いさせた?」

「ちょっとだけね」

瑚夏は笑みを含んだまま、つばの広い帽子を取った。

すっと現れたのは、清らかで透明感のある小さな顔。

額の青あざはだいぶ薄くなっていたが、指先ほどの淡い青がまだ残っている。

それでも、美しさは少しも損なわれていなかった。

...

ログインして続きを読む