第41章

レストラン。

椎名遥が自らシャンパンを注いで回った。

「ママ、従兄さんのこと……ずっと心配だったでしょ。記憶が戻ったって聞いて、私まで嬉しい」

遥は今日はやけに上機嫌で、笑顔もいつもより少しだけ素直に見える。

「はぁ……」

けれど結城紗耶は、ふっと小さく息を吐いた。何か引っかかっているみたいに。

そのため息に、瑚夏はわずかに眉を寄せる。

――ママ、どうしたんだろう。

「パパもママも、みんなで従兄さんの回復に乾杯しよう」

遥がグラスを持ち上げる。

視線が順に流れて、最後に瑚夏の顔で止まった。

「お姉ちゃん、まだ従兄さんに会ったことないよね。ね、従兄さんって本当にいい人だよ...

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