第46章

半年前、祈里おばさんは突然、瑚夏との連絡を断った。けれど瑚夏は知っている。祈里おばさんなら――自分の送ったメッセージだけは、きっと読めると。

少し前、渡辺直樹が心臓を患って倒れ、渡辺家の事業を渡辺明山に任せた途端、赤字続きになった。

瑚夏は祈里おばさんに頼んだ。

祈里おばさんは資金を出し、ときには経営の助言までしてくれた。だから渡辺家は、転げ落ちずに済んだ。

しかも祈里おばさんの裏の後押しで、渡辺明山はそこそこ旨い案件を二つ掴み――すっかり自分の手柄だと思い込んだ。

自分が有能だと、うぬぼれた。

なら、そろそろ現実を見せてやるべきだ。

自分がいったい、どれほどの器なのかを。

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