第48章

渡辺直樹の主治医は宮本良大という。心臓外科の権威と呼ばれる医師だった。

瑚夏は宮本良大の執務室を訪ねる。

「宮本さん……兄は、大丈夫ですか?」

渡辺直樹が病を得てから、治療はずっと宮本良大が担当してきた。瑚夏とも顔なじみだ。

今回の入院も、結城紗耶が知らせを聞きつけ、瑚夏を連れて宮本のもとへやって来たのだという。

そして――宮本良大は、母の友人でもあった。

瑚夏が聞きたいのは、病状の細かな数字じゃない。

兄が「大丈夫」かどうか、それだけだった。

宮本良大はカルテに目を落とし、言葉を選ぶようにしてから口を開いた。

「瑚夏ちゃん。正直に言うよ。あまり良くない」

「この病気は、...

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