第75章

「朔夜、どうしてここに……?」

結城紗耶は、結城朔夜が車を降りてくるのを見るなり、驚きと嬉しさが入り混じった顔になった。

「叔母さん。瑚夏の車、会社に置きっぱなしでしょう。だから迎えに来ました。出勤の足がないと困ると思って」

瑚夏は「大丈夫。うちの予備の車で行ける」と言いかけた。

けれど結城紗耶はその一言さえ挟ませず、瑚夏の腕を取って車のそばまで連れていく。

「ちょうどいいわ。瑚夏ちゃんは車の中で少し休みなさい。運転って、意外と疲れるのよ」

断っても無駄だと悟り、瑚夏は素直に後部座席へ乗り込んだ。

結城朔夜も反対側から車内へ滑り込む。

今日の彼は、真新しいオーダーシャツに身を...

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