第85章

結城朔夜は身を乗り出し、真剣に耳を傾ける姿勢を取った。

「実は簡単なんだけどね」

瑚夏が意味ありげに笑い、続ける。

「ねえ。財産、いくら持ってるの?」

「……」

嫌な予感しかしない。

少し考えてから答えた。

「たぶん、数千くらい?」

瑚夏は、それが「数千億」のことだと察していた。

「私が聞いてるのは、あなた個人名義のほう」

「うん」結城朔夜は頷く。「俺の名義だよ」

「……」

どうやら彼の資産を、彼女はずっと見誤っていたらしい。

「じゃあ言うね。ちゃんと聞いて」

「まず、財産を半分。結婚前に分割して私の口座に入れておく」

「次。結婚しても私の自由は制限しない。交友...

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