第94章

「渡辺社長、さっき渡辺社長からお電話がありまして、向こうにちょうどいい人材がいるそうです」

福田志那が瑚夏の執務室の扉を開け、そう報告した。

「すぐアポイントを取って。いちばん早い面接でお願い」

工場のことは、オフィスよりよほど待ったなしだ。ぐずぐずしてはいられない。

面接に来たのは、水上翔真、33歳。

よく喋る男だった。目には力がある。野心も、目標も、押しの強さもある――ひと目でそうわかるタイプだ。

瑚夏は、靴やアパレルの生産工程について本当に詳しくない。

だが水上翔真の経歴を見る限り、彼はこれまで2社のそれなりの規模の靴・アパレル会社で、生産責任者を務めてきたらしい。

受...

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