第99章

数人の警官が、その場で中村大和を取り押さえた。

そして――吐き気を催す、あの部屋。

瑚夏は入口まで来たものの、そこから一歩も踏み込めなくなった。口元と鼻を押さえても、腐った油と生ゴミが混ざったような悪臭が容赦なく肺の奥に入り込んでくる。胃の中が、ぐるぐると掻き回された。

水上翔真が低い声で言う。

「渡辺社長、さっき中を確認しました。……精製設備があります」

「食べ残しをここに集めて、そこから油を抜いてるみたいです」

想像するだけで、背筋が寒くなる。ゴミ捨て場よりひどい。そんな環境で取った油だ。

だから、あの油は濁っていた。

だから、中村大和はもやし一本を口にするのさえ毒でも食...

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