第1章

またしてもお見合いに失敗した。

スマホの画面を見つめる。そのメッセージが私の目を刺した。「星野さんは素敵な人ですが、ユーモアに欠けていて、真面目すぎますね」

これで七人目。お見合い相手がSNSで私につけた評価だ。彼は私が化粧室に行っている間、スマホの画面を見られないとでも思ったのだろうか。光を反射するガラストップのテーブルが、すべてを完璧に映し出していたというのに。

「すみません、お会計お願いします」私は平静を装って店員に声をかけ、バッグを手に席を立とうとした。

「待って、割り勘にしましょう」彼は急に我に返ったように、気まずそうな笑みを浮かべた。

私はお金をテーブルに置き、振り返ることなく店を後にした。

ポケットの中でスマホが震える。誰からかはわかっていた。明日は私の三十歳の誕生日。母が結婚の催促をしてくるに決まっている。

「美玲、お見合いどうだった?」母の声が電話越しに聞こえる。

「まあまあ」と、私は適当に答えた。

「まあまあ、ってどういうこと?あなた明日で三十になるのよ?少しは現実を見たらどうなの?いつまでもそんな幻想に浸ってないで。天文ジャーナリストなんて夢はとっくに諦めるべきだったのよ。安定することが一番大事でしょ」

もう聞き飽きた台詞を黙って聞きながら、どうやってこの電話を終わらせるか考えていた。

「わかってる、お母さん。明日用事があるから、もう切るね」

電話を切ると、私は帰り道にある小さな本屋に立ち寄った。ショーウィンドウに新刊の星空写真集が飾られており、その表紙は壮観な銀河の写真だった。ほとんど本能的に、私は店の中へ足を踏み入れた。

「運がいいですね、これが最後の一冊ですよ」店主がハードカバーの写真集を私に手渡した。「お客さん、天文ファンなんですか?」

「昔は」私は小声で答え、代金を支払った。

自分への誕生日プレゼント、といったところだろうか。三十歳の女が、たった一人で、自分の誕生日を記念するために星空の写真集を買う。少し哀れな気もするが、もう慣れた。

アパートに戻り、写真集を置くと、溜まっていたガラクタを整理することにした。新しい十年が始まる前には、過去の痕跡を整理しておくべきだと思ったのだ。

クローゼットの奥にあった段ボール箱の中から、私は一冊の青いハードカバーのノートを見つけた。表紙には精巧な星空の模様が描かれている。

こんなノートを持っていた記憶はないが、どこか見覚えがあるような気もした。

最初のページを開くと、見慣れた筆跡が目に飛び込んできた。

『星ちゃんのこと好きだ。もう気づいてるだろ。2010年3月1日』

心臓が大きく跳ねた。これは神谷亮介の字だ。高校時代、私のことを「星ちゃん」と呼んでいた、あの男の子。

彼は学校の物理と化学の天才で、天文台で星を眺めるのが好きだった。化学オリンピック競技会に学校代表として出場したこともあり、いつもその琥珀色の瞳でこの世界を観察していた。

そっとページを撫でると、ノートから金属と木が混じったような微かな匂いがした。天文台特有の匂いだ。どうしてこのノートが私のところに?

何かに憑かれたように、私はペンを取り、その下にこう書き込んだ。『中二病末期』

ノートをベッドサイドに置き、身支度を済ませて眠る準備をする。時計が深夜零時を指し、電気を消すと、ベッドサイドのノートが光っているような気がした。

ベッドサイドの灯りをつけ、ノートを手に取る。私が書いた文字の下に、新しい筆跡が現れているのを見て、愕然とした。

『誰だ?これは私の観測記録ノートだぞ』

それは亮介の字だった。

私の手が震え始める。ありえない。神谷亮介はもう死んだ。あの研究室の火災があった夏、2010年6月5日に死んだのだ。

けれど、この筆跡も、このノートも、あまりにリアルだった。

深呼吸を一つして、私は書き込んだ。『私は星間メッセンジャー』

すぐに新しい文字が現れた。『星間メッセンジャー?なんだその悪ふざけは』

一瞬ためらい、こう書いた。『悪ふざけじゃない。未来を予言できる。例えば、明日の君の物理実験は失敗する』

『はっ、私の実験が失敗したことなんてない。君は、一体誰なんだ?』

私は答えず、ノートを閉じた。もしこれが本当に2010年の亮介で、もし本当に過去と対話できるのなら、すべてが変わるかもしれない。

目を閉じ、十三年前のあの頃を思い出す。

あれは高校二年の二学期、神谷亮介が私たちの学校に転校してきた。初めて会ったのは物理の授業で、彼は私がつけていた星形のヘアピンを見て、私のことを「星ちゃん」と呼び間違えた。

「星野美玲」私は彼を訂正した。「星ちゃんじゃない」

「でも星つけてるじゃん」彼は私のヘアピンを指さし、目を細めて笑った。「だから星ちゃんだ」

同じく星空に興味があったことから、私たちは天文クラブに配属された。物理の天才である彼は、私が解けない公式をよく馬鹿にしてきたし、文学の授業で38点を取った彼を、私も容赦なくからかった。物理以外に化学も得意で、学校の化学競技チームの主力メンバーでもあり、放課後も研究室に残って追加の研究をしていることが多かった。

当時の私は、離婚した両親の気を引きたくて、わざと学校行事に参加しなかった。一方彼は、来る日も来る日も天文台や研究室に籠もり、星を観察し、データを記録し、様々な実験をしていた。まるでそこが彼の第二の家であるかのように。

寝返りを打ち、ベッドサイドのノートを見る。もしこれが本当に奇跡で、もし本当に過去を変えられるのなら、亮介はあの研究室の火事で死なずに済むのだろうか?

翌日、私の誕生日に、昨日のお見合い相手からメッセージが届いた。『昨日はごめん。もう一度会えないか?』

返信はしなかった。三十歳の誕生日は、一人で過ごしたかった。私は買ってきた星空写真集をめくり、遥か彼方の星々や星雲を眺めながら、深夜が来るのを待った。

予想通り、時計が12時を指したとき、ノートには再び新たな文字が浮かび上がった。

『本当に星間メッセンジャーなのか?それとも悪ふざけか?私の物理実験、本当に失敗したぞ』

私は微笑んだ。あの失敗の後、亮介が「罰」として私に天文台の資料整理を手伝わせたことを覚えている。それが、私たちにとって初めての、本当の意味で二人きりの時間だった。

『教えてくれ』彼は続けた。『未来はどうなってる?星ちゃんは天文ジャーナリストになったのか?私は物理学者になれたのか?』

私はペン先を噛み、逡巡した。実際には、私はただのしがない文書係で、彼は、あの研究室の火事のせいで、永遠に十七歳のまま。

それでも私は、『うん』と書いた。

『本当か?やった!』彼の字は興奮しているようだった。『じゃあ……もう一つ質問がある』

文字は少し間を置いて、ためらっているのがわかった。

『私と星ちゃんは、将来、付き合ってるか?』

心臓を何かにぎゅっと掴まれたようだった。亮介が私に告白したことはない。少なくとも、私の記憶の中では。私たちはただの友達、あるいは、友達になり始めたばかりの二人だった。

だが、この問いに、十三年前からのこの問いに、真実を告げるのは忍びなかった。

『うん』と私は書いた。涙が紙の上に落ちる。

『やっぱりな。あいつが私の星空解説に興味持ってたの、ただの社交辞令じゃなかったんだ』彼の返事は、少年の喜びに満ちていた。

紙の上で次第に色褪せていく琥珀色のインクにそっと触れながら、私の心は罪悪感でいっぱいになった。私は彼に嘘をついた。神谷亮介はあの夏の研究室の火災で姿を消し、私たちは結ばれることなどなかったのだ。

けれど今、この不思議なノートを通じて、すべてが変わるかもしれない。

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