第2章

「ちゃんと立って、動かないように」

私は明徳高校の教務室の外の廊下で、両手を頭の上に挙げ、まるで悪いことをした小学生のように立たされていた。担任教師が三度目に私の保護者に電話を試みたが、やはり誰も出ない。

「星野さん、君は中間試験の成績が下がりすぎだ」担任教師は受話器を置き、ため息をついた。「ご両親はどちらも家にいないのかね?」

「仕事で忙しいんです」

私の視線は壁に貼られた大学入学案内のポスターへとさまよった。様々な学校の宣伝写真が整然と並び、それぞれの写真の下には学校名と学部紹介が記されている。私はそれらの写真を睨みつけるように見つめたが、心を動かされる学校は一つも見つからなかった。

「星野さん、君には将来の計画というものがあるのかね?」と担任教師が尋ねる。

私は首を横に振った。十七歳の私にとって、未来はあまりにも漠然としていた。

心の中で、あとどれくらい罰として立たされるのかを数え始めたその時、神谷亮介が突然私の隣に現れた。今日の彼は腕に包帯を巻いていて、琥珀色の瞳が興奮にきらめいている。

「先生、ちょっと星ちゃんを借りてもいいですか?天文クラブに急用ができたんです」彼は手慣れた様子で担任教師に嘘をついた。

担任教師は腕時計に目をやり、私に行ってもいいと手で合図した。亮介は私の手を引いて早足でその場を離れ、廊下の角を曲がったところでようやく足を止めた。

「ありがとう」私は低い声で言い、痛む腕を揉んだ。

亮介は返事をせず、壁の募集ポスターを指差した。「あれを見ろよ。私はあそこに行く」

彼が指差す先を見ると、そこは厳しい入学基準で知られる有名な大学だった。

「星ちゃんは?」彼は不意に私に尋ねた。「どこに行きたいんだ?」

「わからない」

「そっちのメディア学部に行けばいい」彼は向かい側の写真を指差した。「天文ジャーナリストとかにでもなれば」

「どうして天文ジャーナリストなの?」

「星ちゃんは物事を細かく観察するからな」彼はそう簡潔に答え、その目は依然として研究を主体とする大学の写真に釘付けになっていた。

その時、校内放送から『星空ソナタ』が流れ始めた。天文クラブの部歌だ。亮介は何かを考えているのか、わずかに眉をひそめた。

「私、もう行くね」私はそう言って、背を向けて立ち去ろうとした。

「星ちゃん」彼が私を呼び止めた。「どこへ行くんだ?」

「トイレ」私は口からでまかせを言い、歩を速めた。

彼の視界から消えた後、私は歩みを緩め、心の中で静かに感慨にふけった。誰だって十七歳で神谷亮介に出会ってしまったら、面倒なことになる。

この気持ちにどう向き合えばいいのか、わからなかったから。

とても奇妙で。

そして、とても不思議だった。

数年後、私は本当にその大学のメディア学部に進み、ジャーナリズムを専攻した。大学にある天文台を通りかかるたび、私は歩みを緩め、亮介との偶然の再会を期待した。しかし、そんなことは一度も起こらなかった。

なぜなら、私の時間軸では、神谷亮介はとっくにこの世にいなかったからだ。

アパートに戻ると、ノートに新しい筆跡が現れていることに気づいた。亮介がノートに一連の天体観測データを書き込み、その隣にはいくつかの簡単な星座のスケッチが添えられている。

『まだいたんだな』彼はそう書き記し、私の返信に驚いているようだった。

私はその一行を見つめ、彼の考えを推し量った。『星ちゃんに無視された?』と私は書いた。

『今日、彼女は罰で立たされてた。私が助け出したんだけど、なんだか機嫌が悪そうだった』

私の心臓がどきりと跳ねた。これはまさに今日起こったことだ!このノートは本当に2010年の亮介と繋がっていて、私の幻覚ではない。

『今日は彼女の生理日だから』私は少し躊躇したが、やはり書き込んだ。『ちょっかいを出すのはやめてあげて』

筆跡はしばらく途切れ、それから亮介の返信が現れた。『了解』その横には急いで描かれた星座の絵があり、天秤座のようだったが、あまり正確ではなかった。

その瞬間、私の脳裏に、経験したことのない記憶が突然フラッシュバックした。十七歳の私が教室に入ると、机の上に湯気の立つジンジャーティーが置かれている。顔を上げると、亮介が天体望遠鏡の後ろに隠れて観測しているふりをしているが、彼の耳の先は明らかに赤くなっていた。

その記憶は古いフィルムのように私の脳内で再生され、やがてぼやけていき、鮮明さを失った。

私は急いでノートに書き込んだ。『ジンジャーティーってどういうこと?』

『科学実験だ』と亮介が返してきた。『ジンジャーティーは……その……に効くって聞いたから』

私は思わず笑ってしまった。『私は君の時空顧問よ』と私は書いた。『少し指導が必要みたいね』

『星ちゃんが、私のこと少しでもわかってくれるなら』彼の筆跡は整然としたものに変わり、真剣に考えた末の返信のようだった。

私はその一行を見つめ、内心で葛藤していた。私は十七歳の亮介を騙している。

私がこうする目的は単純だ。彼を「星ちゃん」から遠ざけ、彼の死の原因となった研究室の爆発事故から遠ざけること。

真夜中になると、亮介は私に「星ちゃん」のことを打ち明け始めた。

『今日、彼女は新しい星形のヘアピンをつけてた』と彼は書いた。『前のより少し大きくて、青い水晶がついてるやつだ』

私は無意識に自分の髪に触れた。まるでそのヘアピンがまだそこにあるかのように。

『天文クラブの田中が彼女にノートを貸してた』彼は続けた。『ああいうのは気に入らない』

『少し距離感を保った方がいいかもね』私は提案した。『あまり情熱的に振る舞わない方がいい。女の子は少しミステリアスな男の子が好きだから』

『本当か?』彼の筆跡は少し驚いているようだった。『もっと積極的にいくべきだと思ってた』

『積極的すぎると、彼女を怖がらせてしまうわ』私はそう書きながら、十七歳の頃の亮介に対する複雑な気持ちを思い出していた。

それからの数日間、亮介は私のアドバイス通りに行動した。毎晩真夜中になると、彼は私に進捗を報告してくる。

『今日、天文台で彼女の方から話しかけてきた』彼は興奮気味に書いた。『双子座について聞かれたんだ』

私は微笑みながら返信した。『ほら、私の言った通りでしょ?』

これらの対話を通じて、私も亮介についてより多くのことを知るようになった。彼の物理の成績はトップクラスで、それは私たちの学校だけでなく、県内全域でも際立っていたのだ。

『どうして星のノートを書き写したりするの?』私はある日、彼がかつてそのことで先生に叱られたことを思い出して尋ねた。

『そうしないと、彼女を「星ちゃん」と呼ぶ口実がないからだ』と彼は答えた。『初めて会った時から、私だけが彼女を星ちゃんと呼んでるんだ』

私はその言葉を静かに見つめ、十七歳の亮介に思いを馳せた。彼の物理の才能、鋭い観察力、そして気だるげな外見の下に隠された優しさ。そのどれもが、ずば抜けていた。なぜ彼が過去の私——いつも一人でいて、あらゆることに冷めていた少女——を好きになったのか、私には理解できなかった。

『どうして彼女が好きなの?』私は直球で尋ねた。

亮介の答えはすぐに返ってきた。『万有引力だ』

私はその言葉を見て首を傾げた。

『星ちゃんが現れると、まるで恒星が私の宇宙を照らしたみたいなんだ』彼は説明を続けた。『理由なんていらない。惑星が恒星の周りを回るのと同じくらい自然なことなんだ』

私はノートを閉じ、めまいを覚えた。これらの言葉も、これらの感情も、私の記憶には存在しなかった。神谷亮介は私にこんなことを言ったことはない。なぜなら、私の世界では、私たちの物語は始まる前に、あの研究室の爆発事故によって永遠に終止符を打たれてしまったからだ。

だが今、この不思議なノートを通じて、私にはすべてを変えるチャンスがある。亮介を危険から遠ざけ、あの致命的な研究室の爆発事故を回避させることができる。彼に未来を与えることができる。

たとえそれが、その宇宙では、彼が「星ちゃん」を永遠に愛さなくなることを意味するとしても。

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