第6章

私は窓際に座り、緊張しながら紙の上で日付を計算していた。今日は2023年5月31日。2010年6月5日の研究室爆発まで、あと五日。いや、あの宇宙で神谷亮介が死ぬかもしれないその日まで、あと五日と言うべきか。

日記を開き、元々の時間線で起こった出来事を思い返す。最初の記憶では、亮介はその日、学校の物理科学コンテストに参加していた。彼は自作の投影装置を使って、銀河の動きに関するデモンストレーション実験を披露するはずだった。だが、そのデモンストレーションの最中に研究室で爆発が起こり、彼は私や他の生徒を助けるために命を落とした。

今ならわかる。私がどれだけ私たちの出会い方を変えようと、亮介...

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