第4章

美咲視点

すべてを壊した、この言葉。

私は残りの言葉を聞かずにその場を離れた。彼に見つかる前に鍵を掴み、そこから逃げ出した。

一ヶ月後、写真は至る所に現れた。空港にいる蓮司と伊織。二人はまるでどこかのおとぎ話から抜け出してきたかのようだった。見出しはすべて、ゴールデンカップルの再会と、二人がいかに完璧な組み合わせであるかを書き立てていた。

その夜、蓮司は遅くに帰ってきた。私は彼に彼女と結婚するつもりなのかと尋ねた。彼は、複雑なんだ、とだけ言った。

その週のうちに、逃亡計画を立て始めた。花屋のリース契約を引き継いでくれる人を見つけ、母の旧姓で新しい身分証明書を手に入れた。

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