第105章 つまらない、お前を見下す

「なるほど」

近藤七海は水瀬遥人に言われて思い出したように、神崎彩に視線を向けた。「あの時は証拠がないとしか言っていなかったな。どうやって不正に気づいたのか、話してくれなかったじゃないか」

仕事の話になると、神崎彩の表情は瞬時に引き締まった。

「実は、一ヶ月ほど前のことです。私がまだ西園寺グループにいた頃、ある経理担当者が西園寺グループの面接に来たんです。私が担当しました」

彼女は続けた。

「その女性は明言こそしませんでしたが、言葉の端々からスピカの財務に問題があることが読み取れました。

あの子は先見の明がありましたね。スピカが崩壊して再就職希望者が殺到する前に、早々に手を引いた...

ログインして続きを読む