第011章 全て要らない

隣にいた九条莉奈がすぐに彼を引き止め、不思議そうに尋ねた。「蓮お兄様、どこ行くの?」

西園寺蓮はようやく冷静さを取り戻した。

再び神崎彩の方へ視線を向ける。

彼女が今日家を出た時、あんな服は着ていなかったはずだ。

そもそも、彼女はあんな服を持っていない。

彼女であるはずがない。

九条莉奈は隣で彼の腕に絡みつき、甘えるような声を出した。「もう、蓮お兄様ったら。よそ見しないでよ。ゴルフしに行こう? 私のお兄ちゃんも待ってるんだから」

西園寺蓮は頷き、彼女と共にきびすを返して去っていった。

……

一方、神崎彩はLINEの交換を済ませてスマートフォンをしまうと、水瀬遥人に告げた。「...

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