第160章 おとぎ話は嘘だ

「どうしたの?」

橘薫と宮本エレナが同時に尋ねた。

神崎彩は答えた。「西園寺蓮から、離婚の慰謝料が振り込まれたわ」

「前もって話してた金額通り?」

「あのクズ男、まさか値切ったりしてないでしょうね?」

神崎彩は首を横に振る。「ううん、違うの。二百億、上乗せされてた」

電話の向こうで、何かが盛大にひっくり返る音と、むせ返るような咳き込みが聞こえた。

宮本エレナが信じられないといった声で叫ぶ。「彼、あなたに八百億も払ったの!?」

「ええ」

神崎彩は口座残高に羅列されたゼロの列を見つめ、しばらく呆然としていた。

金に執着するタイプではないし、富を生み出す能力も自分にはある。

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