第169章 言いたいことがあるなら、自分たちで言ってくれないか?

たった一言。その言葉だけで、近藤七海は凍りついた。

恐る恐る振り返ると、そこには三百六十度どこから見ても死角のない、ボスの完璧な美貌があった。

近藤はスマートフォンを取り落としそうになりながら、引きつった笑みを浮かべた。

「しゃ、社長……」

水瀬遥人は彼に冷ややかとも温かいともつかない視線を投げかけると、悠然と自分のデスクの椅子に腰を下ろした。そしてマグカップを手に取り、ゆっくりと、実に優雅に水を飲み始めた。

その動作、その間合い。近藤にとってそれは、まさに生き地獄のような拷問だった。

飲み終えると、水瀬はスマートフォンの画面に表示された名前を何気なく一瞥し、ゆったりとした口調で...

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