第175章 全く同じパスワード

『一九〇六二七』。

それは、あの年のサミットの日付だ。

神崎彩と西園寺蓮が自宅の暗証番号にこの数字を使っているのには理由がある。あの日、二人は西園寺グループにとって極めて重要な契約を締結し、グループの版図を一気に拡大させるきっかけを作ったからだ。

だが、なぜ水瀬遥人がこのパスワードを使うのだろうか?

あの日が、水瀬遥人にとっても特別な意味を持つ日だったということか?

いや、おかしい。彼女の記憶が確かなら、あの年、水瀬グループはサミットに出席していなかったはずだ。

待てよ。水瀬遥人が水瀬コーポレーションの本社に戻り、社長職を引き継いだのは半年前のこと。五年前、彼はまだ水瀬グループに...

ログインして続きを読む