第191章 溺れるようなキス

灼熱した吐息が耳元を漂い、耳朶を、頬を撫で……やがて全身へと伝播していく。

その熱気に当てられ、彼女の体は芯から崩れ落ちそうになった。

彼は、何をする気なの?

思考を巡らせる暇もなかった。彼の顔が落ちてきて、唇が塞がれる。

唇と歯の間を満たす彼の匂い。優しくも激しく、深く絡みつき、極限まで抑制されながらも、荒波のように押し寄せてくる情熱。

神崎彩は愕然とした。

一瞬、頭の中が真っ白になり、あろうことか無意識に応えてしまいそうになる……。

だが、いけない。

こんなこと、許されるはずがない。

私と彼は何の関係もない赤の他人だし、それに彼には――彼氏がいるのだから。

彼女は慌て...

ログインして続きを読む