第202章 人が恥知らずになると、底がない

その言葉を聞き、神崎彩は乾いた笑い声を漏らした。

「西園寺蓮、勘違いしないで。あの女が私に何をするかじゃない。この私が――神崎彩が、あの女を絶対に許さないって言ってるのよ!」

この男は頭に水でも溜まったのか? それとも何かに蹴飛ばされて正気でも失ったのか?

西園寺蓮は表情を変えず、淡々と続けた。

「誘拐事件の主犯は彼女じゃない。ただの従犯だ。それに彼女は今、体調を崩して保釈され、入院している。君が示談書さえ書けば、うまく処理して実刑は免れる……」

パチンッ!

乾いた音が響く。

忍耐の限界だった。神崎彩の手のひらが、彼の頬を強く打ったのだ。

憎悪に満ちた瞳で、彼を射抜くように睨...

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