第021章 立ち去るつもり

「こんなに高価なもの、気に入らないわけないでしょう」

明日、中古ブランド買取店に持っていけば、それなりの値がつくだろう。

彼女はそう思いながら、それを無造作に手提げ鞄へ放り込んだ。

西園寺蓮はその投げやりな仕草と、彼女の顔に張り付いた感情の読み取れない淡泊な表情を見て、端整な眉を深く寄せた。

なぜ彼女は九条莉奈のように、素直に喜んで受け取れないのか?

いつから彼女は、これほど理解しがたい存在になったのだろう。

彼の声が、わけもなく低く沈んだ。「せっかく選んだ贈り物だ。気に入らないならそれでもいいが、もっと素直に言えないのか? 最近は忙しいんだ。いちいち君の顔色をうかがっている時間...

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