第212章 じゃあ何で顔を赤くしているの

水瀬遥人の前まで行くと、彼はすぐにはノートを返さず、傍らにいた高杉進介の足を蹴り飛ばした。

高杉進介はなぜ蹴られたのか皆目見当がつかず、先ほどの神崎彩の忠告も瞬時に忘れ、恨めしげに訴えた。

「なんで蹴るんすか?」

彼が文句を言っている隙に、隣にいた四人は素早く席を一つずつずらしていた。

高杉に一番近かった如月悟が、有無を言わさず彼の首根っこを掴んで引きずり退かす。

こうして、水瀬遥人の隣の席は見事に空いた。

彼は神崎彩の手を引いて座らせると、ようやくノートを手渡した。

そこには彼の手書きで、こう記されていた。

『偵察回避能力、意外と高いな?』

これは神崎彩への皮肉だ。

神...

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