第215章 愛しても得られぬ水瀬社長

第4章

橘薫はその男の強欲さに辟易し、「ない」と言おうとした矢先だった。

だが、峰田の方が一枚上手だった。

彼女はシュッと自分の手首から数珠を外し、慈悲深い表情で橘薫に言った。「これも何かの縁だ。人助けだと思って、差し上げましょう」

橘薫:「……」

隣で見ていた神崎彩と水瀬遥人の二人:「……」

今は月末か何かなのか? ノルマ達成に必死すぎないか?

橘薫は話を合わせるしかなかった。天を仰いで嘆息する。「なんと慈悲深い……仙姑様の大愛には感服いたしました! 善哉、善哉!」

九条蘭子は狂喜乱舞し、千回も礼を言いながら数珠を受け取った。

気が変わらないうちにと、彼女は急いでスマート...

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