第216章 水瀬社長が怒った

「うーん……」

峰田は勿体ぶった様子で、深く首を横に振った。

「よくないねえ、実によくない」

「だが……」

峰田はそこで言葉を切り、商売人の顔を覗かせた。

「水瀬さんがもし、事半ばにして功を倍にし、一刻も早く意中の人を射止めたいと願うなら――ここに二つの法具がある。これをあんたが左手に、想い人が右手に着ければ、天の助けとなり、万事水が流れる如く成就するだろう」

そう言って彼女が引き出しから取り出したのは、二つの全く同じ数珠だった。以前、九条蘭子に渡したものと瓜二つである。

神崎彩:「……」

この法具、卸売市場で大量仕入れした安物じゃないの?

それに「最後の法具」って言ってな...

ログインして続きを読む