第220章 他人を信じるか、私を信じるか

彼は彼女の前に歩み寄ると、ごく淡々とした口調で言った。「暇だったから、散歩がてら寄ってみただけだ」

神崎彩は絶句した。

周囲の者たちも言葉を失う。

水瀬グループの社長ともあろうお方が、暇つぶしに警察署へ散歩に来たと?

彼は西園寺蓮と九条莉奈に視線を移し、薄く笑みを浮かべた。「おめでとう。念願が叶ってよかったな。お似合いだよ、末永くお幸せに。ようやく結ばれたその深い愛情には感動すら覚える。心から祝福するよ」

そこで彼は言葉を切り、冷ややかな視線を送った。「だが、うちの神崎彩に関しては心配無用だ。彼女は幸せになるからな」

その一言で、九条莉奈は嫉妬に狂い、西園寺蓮は胸を抉られた。

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