第223章 水瀬社長を覗き見る

彼女は目の前のボウルを引き寄せ、指先でちょんちょんとつつき、裏返してはしげしげと眺めた。枯れ草のようだった塊のあちこちに、瑞々しい緑が芽吹き始めている。

元々は干からびた草の塊に過ぎなかったものが、今は蕾がほころぶかのような姿を見せていた。

昨夜までは、咲く気配など微塵もなかったのに。

だから彼女はてっきり、この植物は枯れてしまうものだと思い込んでいた。

まさか本当に開くとは。

まるで小さな奇跡だ。

胸の奥で小さな興奮が弾ける。彼女は何も考えず、ボウルを抱えたまま部屋を飛び出した。

水瀬遥人の部屋のドアをノックする。

反応がない。

もう寝てしまったのだろうか?

少しがっか...

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