第250章 彼らを楽にはさせない

高杉進介は、頭がもげるのではないかという勢いでコクコクと頷いた。

橘薫の中で、弁護士としての本能が呼び覚まされたらしい。彼女は興味津々といった様子で身を乗り出した。

「何があったの? 詳しく話しなさいよ」

高杉進介は口を開きかけたが、ボスである水瀬遥人の冷ややかで幽鬼のような視線を浴び、瞬時に口をつぐんだ。

言えるわけがない。命が惜しい。

橘薫の好奇心はさらに煽られ、今度は神崎彩の方へと視線を向けた。

神崎彩もちょうど彼女を見ており、軽く首を傾げて「早く逃げて」と合図を送った。

この巨大な修羅場に居座れば、誰であろうと巻き添えを食らう。

撤退だ。

保身こそ最優先事項である。...

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