第252章 恋愛したいなら、俺に言え

男女が、密室に二人きり。あまりにも危険な状況だ。

神崎彩の脳裏に浮かんだのは、ただ一つ。「逃げる」という二文字だけだった。

だが、ドアノブに手をかける間もなかった。

強引な腕が伸びてきて、彼女の腰を抱きすくめる。そのまま有無を言わさず、彼の懐へと引き戻された。

圧倒的な力と覇気。抵抗など許されるはずもない。

神崎彩は恐怖で身を竦ませ、必死でもがいたが、拘束はびくともしない。彼女は慌てて声を上げた。

「ごめんなさい、謝るから! あなたがデート中だと誤解したのも、七海に余計なことを言ったのも悪かったわ。私が間違ってた、だから……」

「その話はもういい」

彼は彼女の言葉を遮った。そ...

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