第266章 彼と寝たい

神崎彩はドアを開けて中に入った。

水瀬遥人の姿はない。

寝室から電話で話す声が聞こえてくる。

邪魔をしてはいけないと思い、神崎彩はダイニングテーブルの椅子に腰を下ろした。

テーブルにはすでに料理が並べられている。品数は多くないが、どれも彼女の好物ばかりだ。

だが今の神崎彩には、食欲など微塵もなかった。

脳裏を占めているのは今日の出来事だ。

果樹園の様子は九条莉奈の言葉通りだったし、九条蘭子の反応も演技には見えなかった。

なのに、神崎彩にはどうしても納得がいかない。なぜ海永進の死体が見つからないのか?

分からない……。

まさか、九条母娘が密かに死体を移したのだろうか?

水...

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