第274章 彼に一言言っただけで不機嫌になるのか?

近藤七海は事態が飲み込めないまま、殺気立つボスを慌てて追いかけた。

すると、部屋を出た瞬間、彼のスマートフォンも鳴った。

エレベーターを待つ間、画面を確認する。高杉進介から動画が送られてきている?

訳も分からぬまま、彼は再生ボタンを押した。

瞬間、水瀬社長のスマホから流れたのと同じ歌声が、廊下に響き渡った。

近藤七海は一瞥しただけで血の気が引き、慌てて動画を停止した。

高杉進介のやつ、死に急ぎたいのか?

巻き添えは御免だ。

こっちはしがない社畜なんだ、生きていくだけで精一杯なんだよ。

案の定、スマホをしまう暇もなく、水瀬遥人が目の前に手を差し出し、無表情に告げた。「貸せ」

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