第280章 これは生きた一つの命だ

浅木家の兄妹は、その正義感に満ちた力強い言葉を聞き、淀んでいた瞳にようやく希望の光を宿した。

この瞬間の橘薫は、まるで後光が差しているかのように眩しかった。

それを見つめる神崎彩も、沈んでいた心がふっと軽くなり、誇らしい気持ちで胸がいっぱいになった。

橘薫が彼女に視線を向ける。

「どうしたの?」

神崎彩は微笑んだ。

「なんでもないわ。ただ、私たちの橘弁護士がこんなに頼もしくて立派だったなんて、改めて気づいただけで」

「当然でしょ!」

橘薫は得意げに顎を反らせた。

水瀬遥人も思わず吹き出した。うちの神崎彩にも、これくらい威勢よく啖呵を切る度胸があればいいのだが。

神崎彩はそ...

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