第282章 ついに捕まる

九条蘭子はそれを見て、慌てて彼女の手を押さえた。「莉奈、もうやめなさい。彼は来ないわ」

九条莉奈は信じようとしない。「どうして来ないの? 私たちはもうすぐ結婚するのよ。私は彼に嫁ぐ妻になるんだから、絶対に来てくれるはずよ」

その自信に満ちた娘の姿に、九条蘭子も疲労困憊し、いっそ九条莉奈のスマートフォンを奪い取った。

そして、きっぱりと告げた。「西園寺蓮なら、もうとっくに来たわ」

九条莉奈はまだ理解できない様子だ。「来た? じゃあ、彼はどこ? どうして私が目を覚ますまで待っていてくれなかったの?」

どう伝えれば、少しでも娘のショックを和らげられるだろうか。九条蘭子が言葉を探していると...

ログインして続きを読む