第321章 君が早くしろと言ったんじゃないか

神崎彩は彼の口づけに全身の力が抜け、ついに降参した。

時刻はまだ七時前だ。

一度だけなら、その後にシャワーを浴びて支度をしても、出社時間には間に合う。

そう思っていた。

だが、男の唇が彼女の肌に落ち、まるで狂風や暴雨のように全身を覆い尽くし始めると、彼女の意識は混濁していった。

身体の震えが止まらない。

呼吸が次第に荒くなる。

もう耐えきれず、彼女は急かした。「水瀬遥人、早くして」

「わかった」

彼はあっさりと応じた。

と同時に、一気に彼女の奥深くへと踏み込んだ。

加速する律動は、まるで荒れ狂う波のようだった。岸壁を打ち据える怒涛のごとく、彼女の身体を激しく打ち据える。...

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