第323章 キスくらい、やりすぎじゃないよね?

水瀬遥人はすぐには答えず、伏せた視線を、自分の服を握りしめている神崎彩の手に落とした。

その声には少しの呆れが混じっていた。「手伝う、手伝うよ。これでいいか?」

これ以上渋れば、彼女に振られかねないと危惧したのだ。

望み通りの返事を引き出した神崎彩は、満面の笑みを浮かべ、ぱっと手を離した。

だが次の瞬間、水瀬遥人は彼女の手首を掴み、力強く引き寄せた。

神崎彩は彼の胸に飛び込む形になり、腕も強引に彼の腰に回され、思わず顔を上げた。

彼女の艶やかな赤い唇に視線を這わせると、水瀬遥人の声は妙に掠れた。「こんなに大きな貸しを作ったんだ。キスの一回くらい、罰は当たらないだろう?」

その熱...

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