第325章 まさに報いだ

神崎彩はふと動きを止め、カレラの中へと視線を走らせた。

相手は二十代前半の若い娘だった。真っ直ぐな黒髪で、顔立ちは確かに美しいが、その瞳はどこか焦点が合わず、呆然としている。外で大勢の人間から指を差されて罵声を浴び、彼女の顔には恐怖の色が浮かび、やがてわっと声を上げて泣き出した。

神崎彩は冷ややかに笑った。今更怖くなったというのか。

高杉進介が尋ねる。「彩さん、警察を呼びましょうか?」

神崎彩は頷いた。「ええ、通報して」

この状況では、警察を呼ぶしかない。

十五分後。

神崎彩、高杉進介、そしてカレラの持ち主、さらにはねねられそうになった老婆と小さな女の子まで、全員が警察署の長椅...

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