第339章 名分が欲しい

江藤司と守衛はひどく骨を折り、ようやく西園寺蓮を車に押し込んだ。

西園寺蓮は後部座席に座り込み、色褪せたタイムカプセルを抱きしめたまま、とめどなく涙を流していた。

今になってようやく、彼は信じざるを得なかった。神崎彩は本当に去ってしまったのだと。完全に彼のもとから離れてしまったのだと。

彼女は彼らが愛し合った証すらも無残に壊し、彼に思い出の欠片さえ残してはくれなかった……

……

一方、神崎彩と水瀬遥人は共に帰路についていた。

彼女はまだ足に怪我を負っており、踏み込んで歩くことが難しいため、水瀬遥人が道中ずっと彼女を抱きかかえていた。

家のドアの前に着くと、神崎彩は彼の肩を軽く叩...

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