第340章 本当に俺をホストだと思っているのか?

水瀬遥人はキッチンカウンターの奥に立ち、白いシャツの袖をまくり上げて、引き締まったしなやかな前腕を覗かせていた。

手際よく野菜を洗い、包丁を入れていく。

神崎彩は、彼がビジネスの世界で辣腕を振るう姿を見慣れていた。だが、こうして厨房に立つ長身でスマートな姿が、鍋や皿といった生活感溢れる道具の中に溶け込んでいても、微塵の違和感も覚えなかった。

それどころか、言葉にできないほどの良き夫めいた色気すら漂っている。

この男は本当に、時と場所を選ばず自身の魅力を振りまいている。

自分はいつまでこの誘惑に抗えるのだろうか。

見つめるうちに、彼女はすっかり心を奪われていた。

どれほどの時間が...

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