第343章 水瀬社長の独占欲

それに、これは彼女の意志だけでどうにかなる問題ではない。

水瀬遥人のような名門の出であれば、その一族が彼女に子供を産ませるはずがない。

仮に産むことが許されたとしても、待ち受ける結末は二つに一つだ。

一つ、子供を取り上げられ、彼女自身は追い出される。

二つ、彼女が子供を引き取る代わりに、水瀬家との一切の関わりを断たれる。

神崎彩は、自らの悲劇を我が子に繰り返させることなど絶対に嫌だった。

水瀬遥人は長いこと彼女を見つめていたが、結局何も言わず、そのまま彼女を抱き上げてエレベーターへと歩き出した。

突然の行動に驚いた神崎彩は、慌てて声を上げた。

「何するの? 自分で歩けるわ」

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