第351章 あの時の事件の唯一の生存者

水瀬遥人は薄く微笑みを浮かべ、神崎誠治の湯呑みに温かい茶を注ぎ足した。

そして、ゆっくりとした口調で口を開いた。

「西園寺健一のしでかした事のツケを、西園寺蓮に払わせるのは少々酷というものです。それに、神崎彩が長年愛してきた男が、実は実父の仇の息子だったと知れば、彼女は深く傷つくでしょう」

神崎誠治は反論した。

「だが、あの子もいつかは知ることになる」

「ええ、それは避けられない結果です。時期の問題に過ぎません」

水瀬遥人は淡々と返す。

「もし彼女が真実を知れば、間違いなく両親の復讐に動くはずです。そうなれば、彼女の素性はもう隠しきれなくなります」

「柚月匡志だけでなく、淵本...

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