第363章 これがあなたと私の差だ

天音雫は、ぎゅっと拳を握りしめた。

だが、昨日、広住素子から言われた言葉が脳裏をよぎる。

『神崎彩が何を言ってきても、絶対に冷静さを保つのよ。怒ったら、あなたの負けだからね』

天音雫は気を取り直すと、あらかじめ用意しておいた書類の束を神崎彩の目の前に押しやった。

「あなたがディレクターの座に就いた以上、当然、業務の引き継ぎをしなければなりませんわね。これらはすべて我が部署の重要プロジェクトですが、神崎ディレクターはまだ目を通していらっしゃらないでしょう?」

神崎彩は無言のまま、一番上のファイルに手を伸ばし、パラパラとページをめくった。

「神崎ディレクターは大変優秀でいらっしゃいま...

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