第371章 好きだよ、大好き

まるで些細な日常の出来事でも語るかのように、その口調は淡々としていた。

神崎彩はわずかに虚を突かれ、無言のまま手元のアイスを口に運び続けたが、その動きは明らかに鈍っていた。

水瀬遥人は言葉を継いだ。

「あのブレスレットは取り返して、母さんに返してきた」

これにはさすがの神崎彩も、平静を装うことはできなかった。

弾かれたように彼を振り向く。その瞳には驚愕の色が浮かんでいた。

対する水瀬遥人は相変わらずの平坦な声で、彼女のアイスを目で促した。

「ほら、溶けるぞ」

神崎彩は言葉を失った。

「……」

一度贈ったものを、わざわざ取り返したというのか。

ワンマン社長の彼がするような...

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