第383章 天音雫はまた降格された

こんな朝早くから他人の家に押しかけてドアを叩くなんて、考えるまでもなく誰だか分かる。

水瀬遥人は表情をひやりと落とし、手にしていた包丁を置いてからリビングへ出た。神崎彩に向かって言う。

「気にしなくていい。俺が出る」

ソファから動かない神崎彩は、

「……」

いや、彼女だって別に関わりたくない。

彩はそのまま洗面所へ行き、身支度を整えた。

玄関のドアを開けると、そこにいたのは天音雫と田中さんだった。

もともと焦りと緊張でいっぱいだった雫は、水瀬遥人の姿を見た瞬間、さらに刺激を受けたみたいに息が荒くなる。顔色は真っ白で、立っているのがやっと――今にも崩れ落ちそうだった。

昨夜、...

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