第396章 もし汚れたら、もう君はいらない

神崎彩は考えれば考えるほど、やはりその可能性が高い気がした。でなければ、水瀬遥人があんなふうに怒るはずがない。

理由もなく胸の奥にむっとしたものが湧き上がり、彼女はティッシュボックスを握ったまま、何枚も引き抜いた。しかも、そのたびにやけに力が入る。

洗面所から出てきた水瀬遥人が目にしたのは、その光景だった。思わず眉が上がる。

――怒ってるのか?

さっきまであれほど冷静で理屈っぽかったくせに、どうして今さら腹が立つんだ。反射神経が遅すぎないか。

彼が近づいても、彩は気づかない。

水瀬遥人は彼女の手からティッシュボックスを取り上げて机の上に置き、ついでに二枚抜いて、顔に残った水滴を拭...

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