第401章 意地っ張りなバカ

神崎彩の呼吸が乱れた。

頭の中も、真っ白だった。

嬉しいのか、怖いのか、自分でも分からない。身体の芯がふわふわと宙に浮いたみたいで、足元が定まらない。

けれど次の瞬間、彼女は我に返った。そんなはずがない。

水瀬遥人の母親が、彼女を受け入れるなんて、ありえない。

おそらく広住素子は、息子と真正面からぶつかる気はなくて、何か遠回しな手を使い、水瀬遥人に「母は了承した」と思い込ませたのだろう。

でもそれは同時に、水瀬遥人が――彼女のために、母親と戦ったということでもあって……。

その事実が胸に詰まり、息がしづらくなる。苦しいのに、なぜか温かい。内側からじわりと膨らんでいく、言葉にでき...

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