第403章 天下一の良さ

神崎彩はその言葉を聞くと、一瞬きょとんとした。けれどすぐ、ふっと笑う。

「うん、彼はすごくいい人だよ」

謙遜するつもりなんて、最初からない。

橘薫が横目で彩を見た。

「そこでドヤるんだ?」

声色はひんやりしているのに、胸の内では親友の幸せをちゃんと喜んでいる。

神崎彩は肩をすくめるように笑った。

すると前の席で、黙っていられない高杉進介が口を挟む。

「そりゃそうっすよ。俺たちの水瀬社長はいい人です。天下一っす」

橘薫が、笑っているのか笑っていないのか分からない顔で彼を見る。

「だよね。じゃあその天下一の水瀬社長、九条莉奈のことは掴めてるの?」

九条莉奈の名を出した瞬間、...

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