第406章 金色の仮面

神崎彩は相手のひそひそ話に耳を澄ませた。やはりこの宴はおかしい。中山さんは本気で何かを仕掛けるつもりだ。

ただ、彼らが言っていた「彼女」「川市でいちばん脂ののった獲物」「大物」――それはいったい誰のことなのか。

川市でいちばんの権力者、という意味?

首をかしげていると、ほどなくして廊下の奥からコツコツ、とヒールが床を叩く音が近づいてきた。

「もうすぐ来る」

さっきの言葉が脳裏をよぎる。

まさか、この足音の主が――あの「大物」?

神崎彩は思い切って、壁の陰から半身だけ乗り出し、廊下をのぞいた。

……誰もいない。

逡巡の末、彼女はそっと身を滑らせるように廊下へ出て、足音のした方...

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