第409章 タロウ奥様

スターダスト・レジデンス、その一室。

水瀬遥人が夕食を終えたところへ、柚月徹から唐突に電話が入った。

遥人は書斎へ移動し、通話に出る。

徹はいつも通り、要領を得ない話を延々と垂れ流してくる。

遥人は相槌こそ打つものの、言葉数は少ない。どこか上の空で、意識が別のところに引っ張られていた。

――ふと。

脳内の情報棚から、ひとつの名前が浮かび上がる。

中山さん。

数日前、JM商会の名簿を流し見したとき、たしかに「中山」に関連する項目を目にしていた。

ただ、その名簿に記されていたのは中山さん本人の名ではなく、夫の名だった。だから結びつくまでに時間がかかったのだ。

「徹、こっちで用...

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