第427章 彼らの間は、もうすぐ終わる

神崎彩は、水瀬遥人の視線にまるで気づいていなかった。

意識はすっかり自分の中へ沈み込んでいる。皿の上に並ぶ、見るからに美味しそうな料理を眺めても、食欲はひとかけらも湧かなかった。

ナイフとフォークで、つついて、持ち上げて、また崩す。

のろのろと。けれど次第に、荒っぽく。

川市には昔の女がいて、ロンドンへ来たら今度は高嶺の花。

ほんと、忙しい人。

いっそそのまま忙しさに潰れてしまえばいいのに。

苛立ちをぶつけるように、手元の動きはどんどん雑になっていく。

けれど、ひとしきり乱したあとには、胸の奥に残るのは空しさだけだった。

力が、すうっと抜けていく。

……もういい。

どう...

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