第45章 ならば我らは術中に嵌った

色とりどりの紙吹雪が、神崎彩の目の前で舞い踊った。

どこからともなく現れた橘薫が、神崎彩に向かって両手を広げる。

「お帰り、ハニー!」

神崎彩は呆れたように、しかし嬉しそうに言った。「どうりで今日、病院まで迎えに来てくれないわけだわ。こんなところに隠れてたのね」

そう言う彼女の瞳には、うっすらと涙が滲んでいた。

橘薫は歩み寄り、彼女を力強く抱きしめた。「バカな子ね、何を泣いてるのよ。今日は喜ぶべき日じゃない。お祝いよ、あなたが自由を取り戻したことへの!」

「そんな大事な瞬間を『自由』なんて言葉だけで片付けちゃダメよ。祝うべきは、私たちのアヤちゃんが生まれ変わったこと……そう、新生...

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