第452章 ダメなら抱いて帰れ

神崎彩が低く言った。

「たぶん……あの、転落死した女よ」

「えっ?」

近藤七海はびくっと肩を跳ねさせ、反射的に立ち上がると、神崎彩の腕にぎゅっとしがみついた。

その瞬間。

ひやりとした視線が一本、まっすぐ彼に突き刺さる。

――いやいやいや、待ってくれよ。

ただでさえ怖いのに、そのうえ自分のボスの、三尺の氷すら張りそうな目を真正面から受け止めろって? なんでそんな目で見るんですか、ボス……。

水瀬遥人は隣を指した。

「そこに木がある」

近藤七海はきょとんとした。

「木?」

「手がうずくなら、樹皮でこすってこい」

そこでようやく近藤七海は自分の両手を見た。神崎彩の腕を、...

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