第456章 本当に人をあやすのが上手い

神崎彩はそれを聞いても、彼の言葉に乗らなかった。

……なんでこの人、いまさらしんみりしてるの?

だって向こうは、婚約者同士で幼なじみ。家柄も釣り合っている。性的指向が合わないことさえ除けば、ほかは全部、綺麗に噛み合っている。

じゃあ自分と水瀬遥人は?

性的指向が合うだけで、それ以外は何もかも合っていない。

朝食を済ませると、一同は屋外の城の庭園――芝生エリアへ移動し、「ビジネス交流」とやらを行うことになった。

要するに、自由時間だ。

陽光が降り注ぎ、青々とした城の庭を照らす。昨夜の陰気と恐怖が薄れていき、まるで全部が過去になったみたいだった。

実際、この商会の交流会の山場は昨...

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